日記を書くことにした

 今日も大工から電話が入った。「瓦と外壁の仕様を変えていいか?」(・・・、)『施主に確認はしたのか?』「施主は任せると言っている」・・・なぜ仕様を変えたいのかは値段が高いことによる理由だが、大工が施主の身内の者というケースが一番性質が悪い。 設計者(デザイナー)は建設費を援助する訳ではないので、予算が合わないと言われると仕様変更にNOと言いにくい。(弱虫なのだ)

設計者というのは他人(建て主)のお金で設計(作りたいものを描く)をし、建て主のお金で設計通りに工事が仕上がっていくかを確認する(監理という)仕事をする人である。
建て主が全面的に設計者に頼り、設計図通りに仕上げてくれと言われている物件は良いが、施工者(大工等)が知り合いや身内の場合はそうはいかない。同じ造るなら少しでも安くしたいのは建て主も同じだから施工者の提案を受け付け易い。設計者の意図やデザインより安さに引かれてしまうのは無論正しいことである。
意図した理由により仕様を決めているのだが、予算の戦には負けてしまうのが現実だ。
他人のお金ゆえ安くなる変更には協力してしまうが、ある意図によりデザインした姿が少しづつ退化してゆく思いは拭えない。
やはり建て主と共有したデザインや仕様でないと、安易にお金や施工者主導の工事現場になってしまうのである。
(設計者のボヤキから始まってしまった・・・。