2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

教科書問題

「教科書問題」という言葉を最近聞かなくなったが、この問題の大半は「外交問題」に絡んだ「過去の負の問題」に多く紙面を費やしていたことは記憶に新しい。しかし「直接の問題」はますます「問題」と云わざるを得ない。今の教科書がフルカラーになっている…

迷路は五角形

生垣による庭園迷路は「矩形でない(周りくどい言い方をしなければ五角)」形に造られることが多い。この形がすでに人の方向感覚を狂わせるらしい。不思議なことに人の頭の中にある基本的な形は、三角形や五角形ではなく、常に四角形なのです。四角い家、四…

乱れからくり

古い作品だがようやく・・・、 ある作家による「好きなミステリベスト3」に入るとの書評を知り、ミーハー的に手に入れてしまったもの。タイトル通り、日本文化の一つである「からくり」を「技術」として用いた歴史ミステリである。舞台設定はからくり職人が…

暖炉

今日は冷えますね。寒いと「火」にあたりたくなりますが、 「暖房装置」としての暖炉は、実は効率は悪い。それは燃焼によって発生する熱の大部分を煙突から排出してしまい、室内にはわずかの輻射熱を放散するだけなので、それ一つで部屋全体を暖めるのは難し…

タージ・マハル

シャー・ジャハーン帝は、ムガル朝第五代皇帝としての治世の能力よりも、その最愛の妻の死を悼んで世界に冠たる「タージ・マハル廟」を建てたことで、歴史に名を残すことになった。王妃ムムターズ・マハルはイティマード・アッダウラの孫娘で、「宮廷の冠」…

いえかるて

これからは「住宅履歴情報のある家」が当たり前になるらしい。のだが・・・、 そもそも住宅履歴情報って何かと云いますと、住宅の設計、施工、維持管理、権利及び資産等に関する情報のことですが、住宅の所有者がこれらの情報を「蓄積・活用」して、「いつ」…

玄関

玄関という言葉は、なにか厳しい響きと、黒いイメージが伴う。(玄人を黒人と取り違えていません? 玄関の「関」は明らかに「関所」、「関門」などと同じく、内と外を厳しく隔てる意識を表している。それでは「玄」はなにかと云うと、これは禅(心を鎮め真理…

続・赤い城

アーグラ城 ムガル朝の城郭で最もスパルタンなアーグラ城は、第三代アクバル帝が1565年から1573年にかけて造営し、1世紀後にアウラングゼーブ帝が外郭を造って濠を巡らした。河を背にすることの防御上の有利さは、デリー城を受け継いでいる。また、デリー城…

出張

休稿(文字数削減)

金曜日のモスク

ジャマー・マスジット インド最大のモスクは、ラール・キラーから500m程のところに、やはりシャー・ジャハーン帝が建立したジャマー・マスジットである。その大きさに加えて9mの丘に建っているので、三方の門の手前には「大階段」があり、その勇姿がどこか…

ほうとう屋

昨夜テレビでやってましたね。河口湖に出来た「富士の雲」をイメージしたというピーナッツの殻を伏せたような建物。 伊東豊雄の岐阜の斎場や、長谷川逸子のラポルトすず(多目的施設)系のコンクリートのふわふわした白い屋根。この屋根のみで出来た曲面だら…

赤い城

ラール・キラー ヤムナー河のほとりのデリー城は、ムガル朝第五代皇帝シャー・ジャハーンによって建設されたので、シャー・ジャハーナーバードと名付けられたが、その赤砂岩の城壁と門から「ラール・キラー(赤い城)」と呼ばるようになった。それはスペイン…

アコモデーション

「ACCOMMO」とは宿泊施設のことだが、旅の楽しみの一つは「泊まる」ことではないだろうか。アジアの旅にハマり始めると「バックパッカー並み」の安宿に惹かれてくる。一度インドでゲストハウスを体験したら・・・電気は止まるわ、バスタブはないというより「…

フマユーン廟

ムガル朝で最も発展した造営物は、広大な四分庭園「チャハル・バーグ(田の字プラン)」の中央に廟が建つ墓苑である。それはしばしば王の存命中に造営が始められ、完成すると一般公開されて庭園となるのだった。その最初の例が第二代フマユーンの廟であるが…

BOX-HILLS

盆地を見下ろす高台の住宅地。雛壇状に造成された「次世代の街」へ入る坂は、シニア向きではない。通り名のある入口角から枝線を覗くと、道路工事のフェンスが続いていた。ブロック塀上の緑の彼方に「その家」はあった。久しぶりに「設計した家」を伺った。 …

インド建築探訪

クトゥブ・ミーナール ミーナールとはミナレット(塔)のことで、本来はモスクに付属して礼拝の呼び出しをする施設であるが、ここでは「アイバクの戦勝記念塔」の意味合いが強い。インドで最も背の高い塔で、高さ72.5m、円形と三角形断面がリブ状に交互に繰…

続・インドの河の話

ガンジス河と並ぶインドの二大河の一つ、インダス河。このインダスというのは英語名であって、古来、現地ではシンドゥ河と言う。この流域に栄えたインダス文明以来、河を背景にした文明が連綿と栄え、インドと西方との接点ともなった。そこで、この流域に住…

インドの河の話

インド亜大陸を潤す二大河のうち、インダス河はヒマラヤから西へ下り、パキスタンをへてアラビア海へと流れる。もうひとつのガンジス河はヒマラヤから東へ下り、ベンガル湾へと注ぐ。このガンジス河の中流域の大平原に広がる大きな州が、ウッタル・プラデシ…

「きちょうめん」

柱の角を斜めに削り落とすことを、「面を取る」と云う。直角の角を45度に削り取ったものが一般的だが、角を一度丸みのある「なで肩」に削り、その両側に段を付けて面を取ることを「几帳面(きちょうめん)」と呼んだ。この面取りがたいへん複雑で手間のかか…

屋根の雪

積雪荷重なんて云ってたら、ホントに雪になってしまった。(・・・、 (前日の小屋の話)耐震どころか、屋根の防水措置をしないと!(だって上手く燃えないと神様来てくれないんじゃ・・・、 雪が降っても屋根談義。 奈良の東大寺に行って感心するのは、やは…

小正月

行事の準備のため、地区公民館庭で「どんど焼きのお小屋」作りをした。毎年同じものを作るのだが、指示書(寸法図)があると便利と思い、数年前勝手に「設計図」を作成し、自ら製作指揮をしてきた。(職業柄つい出すぎた真似を・・・、地域により様々な仕様…

「うだつ」を上げろ

いつまでもパッとしない、出世しない人(私のようだが)を「うだつが上がらない」と云う。「うだつ」という言葉は古く奈良時代からあり、「うだつが上がらない」という言葉も、江戸時代から一般的に使われていたようである。「うだつ」とは、建物の妻側(屋…

気の長い神様

以前、サグラダ・ファミリア聖家族教会(バルセロナ・建築中)のところで、「神様はお急ぎにならない」とガウディの言葉をのせたが、工期の長さで群を抜いているのは「ケルン大聖堂」である。ドイツを代表するゴシック教会で、(どう間違えて見てもゴシック…

天空の階段

アンコールの遺跡群はシェムリアップの周囲10km四方に点在している。だからプノンペンで街巡りをするように徒歩で遺跡群を周ることは出来ない。(バイクタクシーを利用するかツアーに参加する。 シェムリアップから北へ15分程走ると、突如広々とした濠に出…

「色違い」

バリアフリーやユニバーサル○○という時代になっていますが、表現の一つの「色」についても「万能」計画をして行きたいと思います。高齢者や後天的な色覚障害者の他に「色弱者」と呼ばれる人たちがいます。この「色弱とされるであろう人」は、日本では男性の2…

始動

社長出勤のようですが、研究室は今日が仕事始めです。 「火のない」部屋は寒っ、「助手」ですので一番乗りです。年が明けると「昨年の残務整理」が始まりますね。「事業報告」、「確定申告」、「完了検査申請」、「定期講習申し込み」。新しい仕事はないんか…

塔建築

今日の「塔」はこれでしょう。 ドバイのダウンタウン地区に「世界一」を目指して建設が進められてきた「ブルジュ・ハリファ(ドバイ)」が完成した。これまでのTAIPEI101の508mを大きく上回る828m。じつはこの高さ、当初の計画は723mであったが、計画発表後…

イントロダクション

一歩一歩創造の階段を昇ろう 「階段」は建築物に使われる以前から、天界との架け橋としての「表現」に存在していた。 キリスト教の図像においても階段には非常に多くの暗示が込められていて、天上の雲に昇って行くヤコブの階段や、古代アッシリアの階段状に…

ねじれた家

正月三日、箱根も終わり、たいして「本数」を読むことが出来なかったが、またまたアガサ。 「ねじれた家族」が棲む、ねじれたように増築した家で、ねじれた動機による事件が起こる。 「家族」が二重螺旋のように絡みついた一族のミステリで、ポワロ不在の作…

初夢

「山の上のホテル」からの帰り、マウンテンバイクを漕いでいる。ルートではこの先、「谷か峠」の選択があるはずだ。下りなのに速度が出ない。前ブレーキの不具で、常に摩擦が起きているのと、「後ろの荷」が身体に絡みつき落ち着かないのだ。映像の自分を観…