塔建築

今日の「塔」はこれでしょう。
ドバイのダウンタウン地区に「世界一」を目指して建設が進められてきた「ブルジュ・ハリファ(ドバイ)」が完成した。これまでのTAIPEI101の508mを大きく上回る828m。じつはこの高さ、当初の計画は723mであったが、計画発表後、近くでこれを越える高さの超高層ビルの計画が持ち上がったため、「高さ800mを越える見込み」と上方修正及び、高さを曖昧表示とした。世界一の座をライバルに奪われないために、完成まで高さを明らかにしていなかったのだ。これは80年程前のニューヨークでも前例があり、エンパイアステートビルクライスラービルの競争もそうであった。この時はエンパイアステートビル側は「頂部」を除いた高さで建設を始め、クライスラービルの尖塔部の高さが確定してから「塔」を載せるという「いじわる」な工法で建てられている。(WTCが出来るまで世界一であった。)
この世界一の建築も「世界恐慌後の完成」という竣工時期まで真似している。ライバルのアルブルジュ(1000m超ビル)はドバイ・ショックの波に乗り、計画凍結となって高さ競争から姿を消してしまった。よって今しばらくは「ラピュタ」の登場は待たなければならなくなりそうである。
「高み」の好きな輩は後をたたないが、この塔ははたして「神の地」に届いたのであろうか。