ほうとう屋

昨夜テレビでやってましたね。河口湖に出来た「富士の雲」をイメージしたというピーナッツの殻を伏せたような建物。
伊東豊雄の岐阜の斎場や、長谷川逸子ラポルトすず(多目的施設)系のコンクリートのふわふわした白い屋根。この屋根のみで出来た曲面だらけの建築は、設計段階ではコンピューターを駆使し、デジタルにデザインするが、施工では全て手作業というアナログな仕事でしか実現しない。建築とは手作りなのである。
しかし、空気膜のような柔らかなイメージの屋根を、重いコンクリートを使うというのが今一つフィットしないのだが、防火性や耐風対策を考えれば、構造体として「自由に姿を変える素材」はコンクリートしかない。(ドーム球場などは例外として)それでも出来るだけ「壁=屋根」を薄くしないと軽いイメージにならないので、「鉄筋」で勝負することになる。果肉(コンクリート)より繊維(鉄筋)だらけの「ハス」のような「鉄網造」となり、手間も材も10倍程になる。(ってことは規模的に3千万の建物が一桁違って・・・、
オンリーコンクリートで出来たマッスな建築で、内部は洞窟のようである。純白のシームレスな壁面は「かまくら」や「焼き釜」を彷彿させ、「ほうとう」というより「イタリアン」か「地中海料理」に似合うが、ミスマッチこそ「デザイン」であり、「先を読む経営者の仕事」と云えなくもない。良いものを創り出す人は、デザインに「賭ける」ことが出来るようである。
(・・建物のデザインの強さからすると「フードウェア」の旧式感は否めないか、