インド建築探訪

クトゥブ・ミーナール

ミーナールとはミナレット(塔)のことで、本来はモスクに付属して礼拝の呼び出しをする施設であるが、ここでは「アイバクの戦勝記念塔」の意味合いが強い。インドで最も背の高い塔で、高さ72.5m、円形と三角形断面がリブ状に交互に繰り返すシャフトは、実に力強く伸びている。2層目からは娘婿のイレトゥミシュによる増築で、その後も度々修復の手が入っている。頂上まで379段の階段があるが、今は上らせてくれない。(無念)壁面にはコーランの詩句が帯状に刻まれている。塔の各層には鍾乳石紋によるバルコニーが張り出し、釣り竿を伸ばしたように塔にリズムを与えている。(パースペクティブが効いている
この塔を含むこのモスクは「イスラムの力」を意味するクッワト・アルイスラム・モスクと呼ばれ、インド最初のイスラム建築である。もとはヒンドゥー寺院であったが、クトゥブ・アッディーン・アイバクはこれを壊して、その部材をモスクに転用させた。イスラム偶像崇拝が禁じられているので、装飾的な柱の偶像部分だけが削り取られている。またインドの職人は「本物のアーチ構造」を知らなかったので、材を順に送り出して重ねる「水平の持ち出し構造」により、形だけのアーチを考案している。インドの「擬洋風建築」である。
今晩「どんど焼き」です。(本来14日にする行事だが・・・、