フィレンツェの洪水

11月に入ってから天候は不順続きだった。降り続く雨で上流の谷沿いから流れ込む水量が増え、アルノ川の水位は警戒域に達していた。皆息を飲む思いで天候の回復を祈ったが、4日、ついに護岸の一部が決壊、濁流が町に流れ込んだ。旧市街のほとんどの地区を巻き込み、特にサンタ・クローチェ地区は水位が5m80cmに達した。サンタ・クローチェ教会付属美術館にあるチマブーエの「十字架像」は無残な姿となった。(剥げ落ちた断片を一つ一つ拾い集めて修復されたが、痛々しい姿となり、惨事を今に伝える記憶となった)国立図書館も貴重な資料の多くが失われ、被害は文化財だけに留まらなかった。1966年のことでした。
現在の穏やかなアルノ川では想像もつかないが、街角には過去の水位を示すプレートを目にすることもある。
(ヴェトナム中部でも洪水被害がでているようですが、、