交渉人

ものづくりは予算という縛りがあります。設計はその中で最良なものを提案する訳ですが、良いデザインとは実は予算を超えてまでもほしくなる「何か」が含まれていることです。「策略(設計)」が良ければクライアントの意識も変わるのです。しかしその結果予算オーバーとなる訳で、追加予算が捻出できる場合を除いて施工者にしわ寄せがくる訳です。何とか仕様変更せずに工事費を落としたい、設計者も同じです。
「容疑者の心裏」を探るネゴシエーターの如く、「この物件は地元地域のため、または地元で商売をする一市民としての協力と、看板を掲げることによる宣伝効果を無償で享受できることに鑑み、ボランティアの精神で請けてほしい」などと静かに施工者を泣かせるのも設計者の業務です。
(己の設計力の足りなさを棚に上げて・・