ツナグ。

今映画でやってますが、取りあえず先に本読んでみました。業界では知る人ぞ知るという死者と一度きりのコンタクト。その仲介をするのが使者と呼ばれるツナグだ。
会いたいと思う死者を依頼すると先方(死者)の意思を聞き、先方も会う意思があればその日時を連絡してくれる。このシステムは一方的で、死者は会いたい人を指定出来ない。ひたすら会いたいと希望してくる人を待つしかない。また一度生きている人を会ってしまうと二度と他の人と会うことは出来ない。一度きりのチャンスだ。だから会いたいと連絡が入った場合、その人に会うか会わないかの決断は慎重になる訳だ。もちろん現世の人も同じで、一度死者と会ってしまうと二度と他の死者との面会は出来ない。生涯に一度しか体験出来ないという貴重過ぎる会談だが、このようなサービスはとても興味深い。しかもツナグには料金はかからないというのだ。物語りは様々な人たちが、現世で伝えられなかったことや、云えなかったお礼などを日の出までの時間語り合うというとても心温まる話だった。(時間的にインタヴューウィズバンパイアを彷彿させた)
実写的な叙述のため、映像をみているように読めるので、映画を見なくても観てしまった感のある作品です。

ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)

(でも映画も見たいですね。