階段井戸を描く

冬がくると絵心が少し疼く(暑い時期は絵の具の乾燥が早すぎて不向きということもある)・・・デッサンやクロッキーが苦手というアーティストとしては救いのない担い手としてはその手段も救い難い。
立体物を描くのにCADを利用する。平面データと立面データを入力し三次元データに変換する。見たい透視図を決めて二次元データに戻すのだ。これを下絵にして絵を描くことになる。簡単に思えるがこれは手書きと同じでデータ入力には手間がかる。紙面をモニタに代え、筆をキーボードに代えたと思えばいい。(言い訳)
その手段で描いたのがこれ。この日記ではお馴染みの「サン・パトリツィオの井戸」である。イタリア・ウンブリア州オルヴィエートにある珍奇な遺構。同じシリンダー内に二つの螺旋階段が重複する筒状の建築(彫刻?)行き(下りる)と帰り(上る)が別というヴィジュアル的ともドラマティックとも云える構造はすでに何度か記してきた。「井戸底に降りる」という村上文学の象徴的なキーを体験できるかも・・。(規模は違い過ぎるが)
鉄槌の如く叩きこむサウンド「トリヴィアム」を聴きながら・・

(二つの階段を色分けしている/色鉛筆