インドの塔

インドの塔を見に行きたいと言ったが、それはラージャスターン州のチットールガルというところにある。市の東側に高さ150mの台地の上にそそり立つ城塞都市があり、昔メーワール王国の首都だったところである。この砦のような街の中に高さ37m、9層建ての「勝利の塔」(ヒンドゥー教遺跡)と、高さ22m、7層建ての「名誉の塔」(ジャイナ教遺跡)がある。二本とも外壁に彫刻を施した芸術的な塔で、塔そのものの姿が独立して「完成」しているのだ。デリーにも「クトゥブ・ミーナール」という塔があるが、ただの棒状のもので「塔建築」としては物足りない。ましてモスクや廟などに付属するものはお飾りであり、塔そのものが意思を持たない気がするのである。
この塔は、塔には多い角型螺旋階段を採用しているが、外周とコア部分に階段を交互に配置するなど複雑な造りをしており、まさに「階段の造りから出来た塔」ともいえる興味深いものである。(階段好きには必見の代物!)
施設内には他にも廃墟と化した宮殿やら寺院などが多数散在し、足を運ぶだけの値打ちは充分あるところである。
(我が研究所でも次回の調査地として申請しているんですが・・、