冬休みの読書

夜読書すると、すぐ眠くなるか、読みきるまで夜更かしするかのどちらかである。(この時期は光熱費の無駄だが)
一頃、アジアの紀行文にはまっていたが、近頃またミステリに戻りつつある。好みの「新本格」ものの作家さんらは、コンスタントに執筆活動をされないようで、なかなか新作を発表しない。読書に関しては結構「食わず嫌い」なところがあり、読み込む作品の視野は存外狭い。ビギナーの頃は西村京太郎を好んだが、さすがに60作を越えた辺りから(少々発見が遅いが)類似性と会話の臭さを感じ、他へ移った。(氏はトラベルミステリ以前の作品が良い)そんな訳で、現在まで「移り気」せず、懲りずに食しているのは「島田荘司」である。「御手洗」がストックホルムへ出て行った辺りからの作が本流で、「脳科学」を背景にしたものや、「寓話」を挿入したものが特に秀でていると思う。「ネジ式ザゼツキー」や「リベルタスの寓話」は「何だかわからんけどすごい!」、「何?この文天才」って感じ。ま〜島田オタクになった輩からすれば、全て優秀なのだが、時刻表系の「出雲伝説〜」、「死者が飲む水」や伝説的な「ロシア幽霊軍艦事件」、皮膚疾患問題を渾身的に書き込んだ「アトポス」、幻想的な「奇想、天を動かす」、社会長編なら「涙ながるるままに」、空飛ぶ人間作品を含んだ「御手洗潔のダンス」、もちろん館ものは「斜め屋敷の犯罪」、「龍臥亭事件」、「水晶のピラミッド」(ピラミッドの謎に迫る秀作)、異色な箱モノなら「摩天楼の怪人」(安藤忠雄のマンハッタンのペントハウスがモデル)、・・・挙げたらキリがないが、初期の「占星術殺人事件」、「眩暈」、「暗闇坂の人喰いの木」などは彼の入門編に過ぎないのかもしれない。既に店頭での入手が困難なものが多いが、ノベルスや文庫で改訂版が出ている作品もある。(オタク趣味を公表するようで不本意なのだが・・・、
話変わり、今晩は地元で会合(=田舎の会議)があり、地域再生というか地域再発見を協議する「フィールドミュージアム構想推進会議」というタイトルだけは態度のでかい集まりに呼ばれているのである。メンバーは、学校長や区長、学術経験者という「年輩方」が主なのだが、なぜ僕が?って「絵描き」と勘違いされてるので、冊子の挿絵でも依頼するに便利だからじゃないですかね。