メビウスの輪

究極のハコモノ

メビウスの輪(帯)」というと、テープを一度捻って両端を留めて輪にしたもの、(結果的には8の字のようになる)すると表と裏がなくなり、片面を触れて進んで行くと、しまいには両面全て触れることが出来る「エッシャーのような」、「永久機関を表現したような」モデルである。このメビウスの輪を 「箱モノ」 にしてしまったのが 「森ミステリィ」 の 「捩れ屋敷の利鈍」 である。密室を扱ったものだが、この本は装丁まで「密室本」(頁が封印されている)であるので内容はお答え出来ません。(見てはいけないのかも・・・
この「メビウス構造」とは異なるが、「それ的な」においがする建物が、ドイツ、シュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館である。この建物、「フロアー」らしきものはなく、最上階から螺旋を描きながら下まで続く二本のスロープが、「二重螺旋」のように連続的に交差しているので、まず「階数」が分からない。(5.6階?)平面的には「おむすび」が二つ並んだ、ロータリーエンジンのような形か?来館者は、縦横無尽に自由に経路を変えることが出来るが、スロープだらけで降りきるまで何となく落ち着かない。これに比べれば、ニューヨークのグッゲンハイム美術館(やはり螺旋スロープにより鑑賞する)なんてかわいいものである。(日本ではUSJのニューヨーク街にある看板のように建っているやつ!