展示住宅

G.Wなどの連休になると、普段は人出の少ない住宅展示場もイベント開催などで賑わいを見せている。
よくよく考えると(考えなくとも)住宅展示場なるもの不可思議な施設である。住まいとは、車などと違って「買ってくる(売買契約)」わけにはいかないもので、その都度、敷地(土地)や環境や住まい手などの膨大な条件に左右される、「形のない」ものである。ゆえに、未知なるものを造りあげることを頼むので、「請負契約(完成させることを約束する)」というスタイルをとる。
モノを購入する場合、その商品が見えるから安心して買うことができるが、住まいは「目に見えても」それを買うことはできないから、「展示品」は購入見本にはならないのである。住宅会社からすれば、自社のつくる商品の仕様やスタイルの紹介見本として建てるのだろうが、「膨大な条件」に左右されないので「見た目の完成度は高いもの」となっている。ところが、見本をみてその仕様の家を購入(建てる)しても、大方の場合、「違ったもの(当たり前だが)」が出来てしまう。これは詐欺ではないかと云いたくなるほど「現実の条件」は厳しい。(土地が狭い、予算が足りない、家族の意見が多種多様等・・・)やはり、住まいは「見て買う」ものではないらしい。
良いモノを見てから現実を諦めるか、目に見えないものから良いモノをデザインするか、どちらを選択するかは自由です。
(行楽施設としてなら利用するのも良いでしょう。