受け身の心

連日「熱帯雨林」です。(・・・、)カラスの鳴き声も飛び交い、ジャングルの様相を呈してきました。
そんな環境こそ「パッシブな空調」が良いかもしれません。夏の暑さの厳しい京の町に習ってみましょう。
京の町家は、間口が狭く奥行きが長い、上から見ると細長い長方形です。しかもたいていの町家には小さな中庭があります。そこが陽射しにより熱せられると、空気が上昇します。上昇して空気が減ると中庭には、長い家の中を通って外気が流れ込みます。この外気は当然「少し温度が低い」わけですから、体感上とても涼しく感じます。中庭に打ち水をすると、今度は家の中に冷えた空気が流れ込むわけです。これが京のならではの住まいの仕組みです。(☆☆☆!これを「パッシブ空調」と呼びます。パッシブは「受け身の」という意味がありますが、「外の風を取り込む」意味でこの言葉を使います。昔の住まいはほとんどこの仕組みで涼をとっていたと思います。逆にエアコンなどで強制的に室内を空調することを「アクティブ空調」といいます。
人間の身体には、暑いとき汗を出す「能動汗腺」があり、それぞれ環境に合わせた生理機能を持っていますが、過度なアクティブ空調を続けると、この能動汗腺の数が減少すると云われます。(熱中症などになりやすくなる)また、暑いからといって冷たいものをとると体調を崩しますが、暖かいものをとり、熱を放射することで身体を冷やすほうが良いことと似ています。(夏こそ辛いもの!
パッシブ空調は人の生理機能を保ち、「自然と共生する」手段と云えるでしょうか。(逆に考えると、住まいはある程度「暑い、寒い」がないと人間がダメになるとも云えそうです。
(ジャングルの中と思えば暑くなく、この「パッシブ精神」こそ一番の省エネです。(・・・、
(それと、涼という字は、暑い京の町に水を撒いた感じですか。