一年

二重螺旋階段とインド日記から始まったこの日記も、365日目を迎えた。
史実に、フィクションに、受け売りに、建築にまつわる小話と、僕の好きな名所、名画、その日の出来事など、日々思いついた歴史を綴ってきました。この一年物語りの中に入り込んでしまった気分で、紙面の上を動き始めたら、いつしかブレーキペダルがなくなっていました。もう一人の自分が一人歩きを始めて「書き手」を支配するようになったという訳です。
今どき写真を使わない「日記本来のスタイル」のブログを偶然目にしたのをきっかけに、僕も活字で表現することを選びました。「活字」とは字の如く、「生き生きした文字」のことで、「生きているように表現する」ことではないでしょうか。「今日の想像」を筆からキーボードに持ち替えた途端、ロケーションが生まれました。「明日の物語り」の始まりです。
〆の日にあたり、「教授」へこの曲を贈ります。
「あの地平線 輝くのは どこかに君を隠してるから
たくさんの灯が 懐かしいのは あのどれか一つに君がいるから
さあ出かけよう 一切れのパン ナイフ ランプ 鞄に詰め込んで
父さんが残した 熱い想い 母さんがくれた あの眼差し
地球はまわる 君を隠して 輝く瞳 きらめく灯
地球はまわる 君をのせて いつかきっと出会う 僕らをのせて」(君をのせて/宮崎駿
(・・・そろそろ「アセンション」ですかね。
本日を持ちまして第一部「了」と致します。長きに渡りご精読ありがとうございました。
桜井京介