石切場

名階段散歩

バルセロナにガウディが設計した「カサ・ミラ」という集合住宅がある。下階にはショップやオフィスも入っていて、一種の複合ビルであるが。1909年に建ったこの建物は、地元の人から「ペドレラ」、つまり岩山とか石切場と呼ばれるほど奇妙な建築である。外観は石の外壁が道路に面して曲線を描きながら前後にうねっていて、その間に「岩山に無数の洞窟があるように」窓が開いている。(全てシャッターまである)窓に付けられた鉄製の手摺りはつる草のように複雑に絡みつき、屋上に見える煙突はソフトクリームの先端のように渦巻いている(ようはうんちみたい(言うな)また、ガンダム旧ザクみたいな「戦士たち」と呼ばれる煙突も多数ある(風により音も出すとか、、しかし、なんといっても好きなのはもちろん「階段」である。(・・・、)中庭にあるこの奇妙な階段は、断面図のようなむき出しの段板と、ムカデ(節足動物)の如くウロコのような鉄板の屋根が軽く掛かっている。(傷みが激しいが)空中歩廊のようなつくりで、純粋に上り下りしたくなる「へんな」階段である。
さすがの奇建築も平穏に建設が進んだ訳ではなく、工事も終盤に近づいた1908年8月17日に、バルセロナ市から建築基準を4千平方メートル超過しているので、その部分を取り壊すか、罰金10万ペセタ納めることを通告されています。しかし、この建物が街のシンボルとしてすでに市民に受け入れられていたこともあり、「法規を適用しないこととなった」、という経緯があります。市から芸術的価値を認められたことは、いかにこの建物の完成度が高かったのか。という訳です。
(このとても気味の悪いファサードの建物、僕の「再訪したい建築」トップクラスの物件です。