アジア建築事情

ベトナムカンボジアなどの現代の建物は、農村の高床式の木造住宅を除くと、「コンクリートスラブ(床版)を用いたレンガ造」が中心である。コルビュジェの「ドミノ・システム」の概念図の如く、柱と床版のみを鉄筋コンクリートで造り、耐力壁部分をレンガ造としている。しかし、レンガは組積(そせき)造(積むだけ)なので、「耐力壁(地震に対抗する壁)」としては不十分である。しかも垂直荷重(上からの力)をレンガ造部分に負担させているためか、鉄筋コンクリートの柱は非常に細い。(「日本の目」からするとなんとも頼りない。
これはやはり、「土」(地産材料)が豊富なことや、「人海戦術」を主とする国では、「レンガ造」が労働条件として最適(人手を要する)であることと、まだまだ機械を使う「生コンクリート」は高価なため、必要最低限の使用なのだろうか。地震国でないゆえに「高価な耐震構造」などは無用ということか。しかし、一度地震がくれば、「総崩れ」になりかねない都市状況である。(建築現場でいつも思うこと、、
(木枯らしの吹く冷たい夜に、寒々しい話でした。(・・・、