実物模型

昨日の「完成!ドリームハウス」見ました?「間口2.7mの極細の家」はとりあえず良いとして、「家の中に4軒の家のあるびっくり構造の家」の話です。
この家は若手建築家の登竜門として知られる「SD Review2010」というコンテストで入賞した作品を実現化したものでしたが、現実の住まいとしての評価は様々ではないでしょうか。見た目は飛行機の格納庫を思わせる切妻形の普通の家型ですが、上半分は間を空けて張ったざら板の隙間から内部が見えるため、温室かビニールハウスのような明るいデザインが載っているのです。デザインのコンセプトは木陰の下でのアウトドア生活のようで、建物内に屋根付き一戸建てが4軒建っているというものです。ホテルのアトリウム内にあるカフェや露店といえば分かり易いでしょうか。テーマパーク的でインテリア性のある面白いつくりではあります。ただこのデザインを特徴付けている最大の要素はローコストです。スケルトンを表現するために壁にも屋根にも透明なポリカーボネート波板を使用しています。ゆえに断熱材などを入れず※、内壁も張らない露出仕上げで、ゆえに「本物の倉庫仕様」なのです。・・本物の住まいとして必要最低限の耐久性をコストと引き換えにした、クライアントが建築家の身内でないと実現不可能な実験的住宅なのでしょうか?
模型作品としては素敵なデザインですが、現物となったとき住まいになるのか、モデルハウスとなるかの判断は分かれることろです。
※(一部外壁下地として木毛セメント板を断熱材として使用しています)
(テーマパークと考えればそれ程新しいつくりではないとは思いますが・・