オススメ本

盆休みの読書は引き続き辻村深月氏。「凍りのくじら」これ少し・不思議な物語です。結果的にはファンタジーに色分けされそうですが、途中まではまったくそれに気づきませんでした。（これでは既にネタばらしになってしまいますが・・）けな気に生きる女の子（少し・不在）に飢えているのか、久しぶりに物語りの世界に入り込んでしまいました。
ドラえもんをこよなく愛する有名カメラマンの父、芦沢光が失踪して5年。残された病気の母と二人、毀れそうな家族をたった一人で支えてきた理帆子の前に、思いがけず現れた一人の青年・別所あきら。彼の優しさが孤独だった理帆子の心を少しずつ癒してゆくが、昔の恋人の存在によって事態は思わぬ方向へ進んでゆく。家族と大切な人との繋がりを鋭い感性で描いた心温まる不思議なミステリ。（少し・泣けた）
（ドラえもんの道具が様々な場面で現実の人の姿を表しているところに、作者藤子・Ｆ・不二雄氏の人の姿を未来から捉えていたことを知るのだった・・

凍りのくじら (講談社ノベルス)