二重螺旋階段最終章3

何枚も写真を撮り、一歩一歩踏みしめるように階段を上ってみた。今僕はここに立っている。
世界二重螺旋階段行脚と名付けてイタリアのオルヴィエートから始まった奇行な旅も、花の都パリにてファーストシーズンを完結することとなった。二重螺旋階段という神秘的とも云える独特の機構を持った建築パーツが世界にいくつか存在することを知って以来、取りつかれたようにセンスを刺激され、愛おしいとも呼べる存在になっていった。独りで歩かないと辿り着かない場所柄、旅のスタイルもバックパッカーに憧れるようになり、聖地インドまで足を延ばしたことも。施設の休業で門前払いもあり、二度の渡航を余儀なくされたりとそれなりのネタもつくることが出来た。今回の渡仏は神がいたずらしたのか降って沸いたような、正直宝くじが当たったの如く予定外なイベントとなった。娘が絵画コンクールでグランプリを獲得し、副賞としてパリに行くことになり、その保護者として付き添うことになった訳である。
フランスと云えば僕にとってはシャンボール城、そしてパリ大学
最終章は突然やってきたのだった。
(これをプロローグにしよう。