青い薔薇を描く2

着色に何を使うか少なからず悩むが、手持ち筆に余裕のあるいつもの水彩にした。水彩は水張りをしないと塗りにくいので、着色イメージを兼ね淡い色を載せてみる。
ひと口に青い薔薇を云っても青には様々な青があるが、今回は使用頻度の少ないコバルトブルーで下塗りをしてみた。

名称からして美しい色だがこの青は普段ほとんど出番がない。

DIY工務店

最近ココロとカラダが手仕事にシフトして行くことを止められなくなってきた。
ものづくりはやはりヴォリュームを
現してこそ意義があることに今更ながら気づく。
昨年来より友人と始めたユニットは休日を抜け出すようなアイドリング状態。
迷走など構わず歩み出すこと・・ψ(`∇´)ψ
ひとのために動いてこそ幸福がありそうだから・・

二重螺旋階段最終章3

何枚も写真を撮り、一歩一歩踏みしめるように階段を上ってみた。今僕はここに立っている。
世界二重螺旋階段行脚と名付けてイタリアのオルヴィエートから始まった奇行な旅も、花の都パリにてファーストシーズンを完結することとなった。二重螺旋階段という神秘的とも云える独特の機構を持った建築パーツが世界にいくつか存在することを知って以来、取りつかれたようにセンスを刺激され、愛おしいとも呼べる存在になっていった。独りで歩かないと辿り着かない場所柄、旅のスタイルもバックパッカーに憧れるようになり、聖地インドまで足を延ばしたことも。施設の休業で門前払いもあり、二度の渡航を余儀なくされたりとそれなりのネタもつくることが出来た。今回の渡仏は神がいたずらしたのか降って沸いたような、正直宝くじが当たったの如く予定外なイベントとなった。娘が絵画コンクールでグランプリを獲得し、副賞としてパリに行くことになり、その保護者として付き添うことになった訳である。
フランスと云えば僕にとってはシャンボール城、そしてパリ大学
最終章は突然やってきたのだった。
(これをプロローグにしよう。

二重螺旋階段最終章2

そんなはずはない!
このような巨大施設が春季休業中とはいえ、全てが利用不可などということがあるはずはない。一部は仮キャンパスとして開校しているはずである。誰か人を探そう。写真を撮ることくらい出来るはずだ。再び正面側へ移動する。ん?!!!?キャンパス内を学生らしき人が歩いている!それも一人ではない。・・・。先程工事用の入り口付近に工事関係者らしき姿を一人確認していたが、入場不可的な空気が漂っていた。しかし再び戻ってみるとどうしたことか学生らしき姿が何人も行き来しているではないか。どういう・・・こと?やはり仮設開校していたのだろうが、先程はそんな空気は全くなかった。僕の落胆に心を痛めた神が世界を変えてしまったの如くである。工事用の入口から自由に入れるのだった。
他の学生からも特に不審な視線は頂かない。人の動きに沿って図書館棟のある方へ進んで行くと今度は風変りな階段が現れた。(これも興味深い螺旋的階段だった)それを下り、さらに足を進めると何のことはない。図書館棟へ辿り着いてしまった。!!!!!!これだ。
・・時間が止まりました。
思わず言葉が出ました。「来たよ」そこにあるのは夢にまで見た美しい二重螺旋階段だった。
とうとう来てしまいました。感無量とはこのことでしょうか。この棟自身は足場も架からず、工事対象ではなかったのです。不思議なことにそれまで荒廃した雰囲気の無人のキャンパスだったのがここだけは学生がたむろし、大学のあるべき風景がそこにはあったのです。塀の外の通用口付近からは見えなかっただけのようでした。それでもキツネに抓まれた気分で、無宗教でも神に感謝しました。己の往生際の悪さ天晴れです。ここに来る前に3つの教会を訪れたことが幸いしたのでしょうか。全くのどんでん返しに一日の疲れも飛んでしまいました。
(つづく

二重螺旋階段最終章

パリの地下鉄7号線と10号線の交わるジュシュー駅を出て振り返ると、そこはパリ第6、第7大学 通称ピエール&マーキュリー校の巨大キャンパスのはずだった・・。しかし、、
いやな予感。メインゲートである正面は工事用フェンス(仮囲い)に閉ざされ、あるはずの広い入口がない。そればかりか周囲は全て工事用の柵に覆われ、よく見れば敷地内全体が灰色に染まるような工事現場と化しているではないか!人の姿も見えず、キャンパス内の建物のほとんどが空洞化した無機質な残骸のようになっている・・・。つまり一大改修工事の真っ只中ということである。建設資材も山積みである。「入れない?」的中なら、フィレンツェのラウレンツィアーナ図書館(二度の渡航にも未だ実現していない)、ハノイ国旗掲揚塔(二度目の渡航で実現)に続き、またもや海外渡航先での門前払いか。(事前の調査不足を問われる)苦渋の思いがよぎった。
目的である図書館棟のある敷地東側の通用口へ周ってみるが、ここも何度も使い回されたような仮囲いによって閉ざされていた。職員通用口もチェーンロックされていた。・・。もはやチェックメイトか、・・・パリまで来てまた。ユネスコ本部訪問という夢のような機会に恵まれ、まさかのパリ大学探訪も正に夢と終わるのか・・。(このときの落ち込みと云ったらなかった)さらに奥の搬入業者用通用口まで足を運んでみるが、土曜の午後という通常でも休業がちの施設が開いているはずもなかった。
(つづく