二重螺旋階段最終章

パリの地下鉄7号線と10号線の交わるジュシュー駅を出て振り返ると、そこはパリ第6、第7大学 通称ピエール&マーキュリー校の巨大キャンパスのはずだった・・。しかし、、
いやな予感。メインゲートである正面は工事用フェンス(仮囲い)に閉ざされ、あるはずの広い入口がない。そればかりか周囲は全て工事用の柵に覆われ、よく見れば敷地内全体が灰色に染まるような工事現場と化しているではないか!人の姿も見えず、キャンパス内の建物のほとんどが空洞化した無機質な残骸のようになっている・・・。つまり一大改修工事の真っ只中ということである。建設資材も山積みである。「入れない?」的中なら、フィレンツェのラウレンツィアーナ図書館(二度の渡航にも未だ実現していない)、ハノイ国旗掲揚塔(二度目の渡航で実現)に続き、またもや海外渡航先での門前払いか。(事前の調査不足を問われる)苦渋の思いがよぎった。
目的である図書館棟のある敷地東側の通用口へ周ってみるが、ここも何度も使い回されたような仮囲いによって閉ざされていた。職員通用口もチェーンロックされていた。・・。もはやチェックメイトか、・・・パリまで来てまた。ユネスコ本部訪問という夢のような機会に恵まれ、まさかのパリ大学探訪も正に夢と終わるのか・・。(このときの落ち込みと云ったらなかった)さらに奥の搬入業者用通用口まで足を運んでみるが、土曜の午後という通常でも休業がちの施設が開いているはずもなかった。
(つづく