キリング・フィールドを見た

古い映画だが、以前カンボジアを訪れて以降一度見ようと思っていた作品だ。
プノンペンに同名の施設があり、再渡航の際の予習を兼ね下見としてみた。
想像していた程ポル・ポトの過激な虐殺シーンが含まれていなかったのが直な感想。
ジャーナリストからの視線のストーリーであることと、蛮行のみをテーマとした作品ではないので当然なのだが、カンボジアの不幸な時代を代表する映画としては物足りなさは否めなかった。・・・実現場を表現すればヴァイオレンス・スプラッタームーヴィーになってしまい、見るに耐えないものだろうが、主演のハイン・S・ニョールが後に射殺されていたことは、ポル・ポト残党の報復を匂わせ重ねて後味の悪いものだった。

インド日記つづき

列車内は朝食の時間となっていた。係員が紙で包んだオムレツトーストを配っている。インドの朝食はオムレツが定番らしい。ホテルよりうまい感じ、ガイドさんがチャーイを差し入れてくれた。「うまい!」本場ものはいい。昔は素焼きのカップだったらしいが、今は薄いプラスチックで味気ない。素焼きなら捨てても土に返るが、プラはゴミになるばかりだ。一つ一つインドを味わってる感じがじつに楽しい。小さい洗面所で歯を磨く。インド男性はオシャレらしく、身だしなみは入念だ。僕も外を眺めながら髭を剃る。それぞれの時間が流れる。なんか列車全体が家族のような雰囲気である。イケメンの兄ちゃんが出てきた。彫りの深いいい男である。インドの若い男ほとんどがイケメンである。しかも超スリムで棒のような足じつにかっこいい。勝手に自分も仲間入りのつもりだが(勘違いもはなはだしい?)・・・、男ばかりではない。女の子。これが輪をかけてじつにかわいいのだ。デコ黒好きにはたまらない出来、瞳がくりくりっとして射るような切れのある目尻にノックアウトです。(こういう話はまた後で!)
もう一つはアクシデント。チェーンロックした荷物だが、案の定鍵がないときた。(きた〜!織田裕二風に)鞄をひっくり返し探すがない。ガイドは相方に渡したという。チェーンを切る話も出ましたが、ここからがインド。どやどやと野次馬が集まり、みな真顔で心配してくれる。いといろな対処案が飛び出します。すぐに人の世話をする(トモダチを連発し怪しい場合もあるが)のが彼らで、インド人はじつに親切なのだ。結局、ベッドのシーツをはがしたらチャリーンと出てきた。(まったく人騒がせな・・、)
だんだん建物が増え、遠くまで見渡せなくなり、ゴミゴミとした町並み、まさしくゴミの山があちこちに点在した小汚い都市へ入ってきた。古都ベナレスの町だ。このノスタルジックな名を知ったのは三島の小説からだが、読んだ時すでに懐かしい響きがあり、過去どこかで目にしていたことのある地名ではないかと思う。(ベナレスとは英名の日本語読みで正式にはヴァーラーナスィー)いよいよガンガーの懐の町、ヒンドゥーの聖地へ着いた。駅名VARANASI
駅構内は昨夜のデリー程のパワーはないが、多くの人とすれ違い階段を下りる。駅北口広場へ出るが改札らしきものはない。ところがこの出口、鉄パイプで入場規制しており、非常に狭い。人の幅しかないので荷物を持ちながら出入りできない。トランクなどフェンスの上から出さなくてはならないのだ。ここも避難がじつに困難な施設だ。(意味わからん)
赤茶けた埃をかぶった木々に囲まれた駅前広場。タクシーを呼ぶがなかなか来ない。しばらくして大型の白い車が、「アンバサダーじゃん」ラッキー!いきなりインドクラシックカー乗車です。トランクノブはT型のクロムメッキ、Rを基調としたゆるく寸胴なデザイン、日本でいえば昔のトヨペットクラウンみたい、ベンチシートで天井も高め、レトロでオシャレな車です。
快音を轟かせ走りだす。うれしいな〜・・・なにやら急停止です。?ガイドによれば列車が遅れたためホテルへは寄らず、午前の観光を先にしないと寺院が午前11時半で閉まるため見学が出来なくなるというのだ。横付けしてきたもう一台のタクシー(これもアンバサダーだがグレードダウン)に乗り換え再スタートとなった。この時、駅前で買った新聞をシートのポケットに置き忘れてしまった。
なぜ車を替えなけらばならないのか不明だが、ワークシェアが徹底されたインド社会では、ホテル送迎のタクシーと、観光地を回るタクシーはエリア分けされており、迎えに呼んだ車では観光が出来ないのではないか。(たぶん)よく分からないまま、本日の観光、サールナートへ向った。・・・