同じ棟の建築事務所

一週間前サイトをオープンした「ご近所」の設計事務所を訪問してみた。どこの設計事務所も似通っているのは「本」が多いことである。壁面を埋め尽くしている本は全て建築雑誌や建築専門書である。壁の「インテリア」に見えるが読んでいるのかしら?(失礼)ところがこの事務所は少しばかり様子が違う。「ミステリ」である。新書サイズの奥行きの棚にノベルス版の小説がズラリ、タイトルを見ると「○○館の殺人」、「○○亭事件」、「○○荘の怪事件」など、ようは「館もの」または「新本格」と呼ばれる分野の作品が多くを占めているのだ。(・・・うちの専門分野じゃねーか)やはり設計者という輩は「読む建物」も好きらしい。ま〜学内のテナントに事務所を構える点でもすでにミステリって訳か。この建物も一応近代建築の部類に入るから建築事務所のロケとすれば悪い選択ではない。
 ここの所長さんだが、俺とあまり変わらぬ風貌で年甲斐もなく(失礼)若造りだ。(他人の事は言えぬが・・、)40代らしいが美容師かミュージシャンでもやってたほうがナチュラル?だ。たぶん美術系の出だろう。建築屋には工学系と芸術系がいるらしいが、彼はどうみても後者である。今日はパソコンで建築パース(完成予想図)を描いていた。専門用語でアーキテクチュラル・レンダリングと言う舌を噛みそうな名称の作業中であった。小説のことを聞いてみると、仕事以外は読書をしている時間が多いらしい。(俺の副業のお客さんて訳だ)思った通り小説内に登場する建築にインスパイアされることもあるという。見せて頂いた住宅作品も自分と同じ波長を感じる興味深いものであった。後にサイトにも掲載するそうである。なぜかチャーイを頂き、アジアの旅のみやげ話も面白おかしく話してくれた。
(今後ともよろしくお願いいたします。