拝啓 山梨の設計事務所様 

先日は突然おじゃまさせて頂き失礼いたしました。
じつは私共の研究所も貴社と同業者ではあるのです。主な業務ではありませんが、一級建築士事務所の登録(管理建築士は私)もしています。専門はアジア圏の近代建築(古代遺跡を含む)の調査・研究であります。副業として上記内容を含有した紀行文やミステリの創作も行っております。研究機関ゆえに行える業務ともいえますが、生徒さんの学費を無駄に浪費している訳では当然ありません。資格者(建築士)でありますから震災後の応急危険度判定の業務なども召集があれば参加いたします。新潟県中越沖地震の際も出向させて頂きました。
普段は利用性の欠ける遺跡などの調査をしておりますが、建築の起源はやはり住まいであり、住宅こそ奥の深い施設ではないかと常々感じております。世界には様々な住まいがあり、地域や文化から生活の器が出来ていることが分かります。貴社の設計例などまたお見せ頂けたらと思います。また当方の話になりますが、所内も貴社と同じく「ミステリ」が並んでおります。これまた当然のごとく「館もの」が多いです。「洋館系」、「ミッション系」とくれば「美少女系」(教授の趣味ですが・・・、)などです。マイナーな例では「法隆寺系」(脱線するので詳述しませんがこの寺は調べると非常に興味深いです)や「叙述トリック系」などがあります。初期は「時刻表系」などを好んで読んでおりました。ミステリからロケーションに惹かれ、旅好きになってしまった感もあります。マイノリティーな建築趣味も小説からきているところが大きいです。身勝手に同じ波長を感じとりましたが、ご迷惑でなければ今後共ご指導頂きたいと思います。                桜井京介