日本のパルテノン

会津へ「さざえ堂」目当てで来たら(こんなもの目的で来る奴はオタクと決め付けてよいが)、お昼は喜多方へ足を延ばす方も多いと思う。喜多方でバラ肉たっぷりのラーメンを食べたら、ダイエットにカプサイシンの効いた?建物探訪と行こう。
喜多方駅から南西に7km程のところに、新宮熊野神社、通称「長床(ながとこ)」がある。会津は公共手段が不便なので、移動なら『負け組らしく道は空いているので(街中で混み合っているのは、肉そばが有名な小汚い坂内食堂ぐらいで、なんのために信号があるのかと思う程空いている)「失礼な、」』車が便利である。電車で来てしまった方はレンタサイクルを利用しよう。
本家、紀伊半島、熊野地方の幽玄な雰囲気をそのまま、ミレニアム的に伝える東北地方最古の遺構である。尺五寸(45.4cm)の円柱44本が十尺(303cm)の等間隔で並べられ、吹きさらしの大きな屋根が載る拝殿である。(ムガル建築でいう謁見の間みたいなやつだな)建立は平安末期のものである。その後再建と復元を繰り返しているが、往時の姿を残している。間口27m、奥行き12m、柱のみの建築はさしずめパルテノン神殿を匂わせ、この地がやはり「神国」であったと記憶され、その後の不幸な歴史を見守ってきた生き証人のような建築である。興味がなかったら向かいにある樹齢600年といわれる銀杏の巨木の下で瞑想にふけろう。(・・・・・・・、