ミステリの平面図

「館もの」のミステリには平面図(間取り図)が添付されているものが多い。作者もロケーションを描くためには、ある程度の「空間」の設定をしてるものと思われる。作中で「東へ伸びる廊下の突き当たりの部屋」とか「食堂は廊下を挟んだリビングの向かい」などと、予め間取りを決めておかないと人物の移動や行動を計画することが出来ないであろう。ゆえに「館もの」の作者は、現物の建物をモデルにする場合以外は、早い段階で「平面図」の作成を行っているものと思われる。ところが、この平面図が実に「いいかげん」である。もちろんミステリはフィクションであるので全く構わないが「本格物」は出来れば平面図も本格であってほしい。作者のイメージ画を出版社側の用意した作図屋が描くのだろうが「本筋に支障がなければよい程度」の図である。(それで良いのだが・・・、)
まずスケール(縮尺)が適当(程良いという意味ではない)である。「作中の行い」をするには小さ過ぎたり、短過ぎたり、階段なども上下が納まっていないものが多い。物語りには必要ないのだが、その平面図では立面(姿)が洋館(すなわち美しい姿)として成り立っていない。等々・・・(厳しい、)
作家様のほとんどが建築の専門家でない方と思いますので仕方がありませんが、リアルさもほしいという話でした。
(専門に挿絵の図面を描いている方にも言いますと、ドアはもう少し小さく書いたほうがよろしいかと。