ガレージハウス考察

ガレージハウスとは、いわゆる住宅に車庫が付属している建物のことだが、そもそも車好きの輩は車庫とは呼ばないそうである。車を収納するだけの倉庫ではないからだ。車そのものを趣味とくつろぎの対象として、ホビールームという位置付けで「ガレージ」と呼んでいる。ガレージは住まいの中の室名に過ぎず、彼らは極端な話、車庫に住宅が付属している。要は、「人が住むことが出来る車庫」といったイメージかもしれない。
そんな車好きな住まい「ガレージハウス」の設計は当然、車を中心にしてプランニングが始まるのだが、プランニングといっても平面計画ばかりではない。愛車を多少なりとも彷彿とさせる姿(Figure)がほしい。単純に言えば、スポーツカーなら流線型、英国車なら洋館、RV車なら山小屋風といったように、建物そのものがガレージの素材であるとするならば、やはり建築物としてのフィギュア(形態)は不可欠な要素ではないでしょうか。
プラン(平面)の話に戻ると、ガレージは収納だけを目的とした部屋ではないので、車のサイズの二周り以上は大きい部屋としたいものです。ここで「ガレージに住まいの面積を取られてしまう〜」なんて考えてはいけません。
なぜならガレージそのものが「住まい」なのですから。ガレージは眺める、触る、いじる、愛する?などの行為をする空間が必要だからです。(車の周りの余白が車をかっこよく見せます)その住まいの中心で愛を叫ぶ?ガレージもさらに「他の部屋からいかにして眺めるか」ということも車好きの住まいには重要なポイントです。リビングから、寝室から、浴室から・・・etc。などオーナーの趣味は様々です。ある部屋を他の場所から眺める。これもガレージハウスならではのユニークなデザインの一つですが、眺めるだけでは飽き足らない(ガレージの中の懲りない面々)人たちは住まいの中、例えばリビングに直接「車」を入れてしまうという暴挙に出ます。まさにビルトインガレージです。車好きは様々なアイディアを出す空間デザイナーかもしれませんね。
(僕の研究所もそんな「熱中人」のお手伝いをしています。