おもしろい家をつくろう

家のつくりの基準が、寝食分離から子供部屋確保へと移って久しいが、いまだ住まいのつくりは次の方程式からあまり変わっていない。
 H={LDK+(n-1)R+W}
 ※H=間取り(House&Home)
 ※LDK=居間・食堂・台所+(付属和室含む)
 ※n=家族の人数
 ※R=個室(Room)
 ※W=水廻り(Water Closet)
そろそろ住まいも次世代のつくりになってもよいのではないか。と思うのだが・・・、
そもそも間取り(H)を「家のつくりの基準」としている時点で固定概念に侵されている。まずは方程式をなくすことから始めよう。
例えば、形態からから入ってもいい。誰もが「こんな家がいい」、「あんな家がいい」と思い描く「住まいのカタチ」があると思う。そのカタチから「ハコ」をつくり、ライフスタイルを嵌め込んでしまう方法。「機能は形態に従う」という考え方である。これは極端な例ではあるが、この間取りに縛られるプランに大きく影響を与えてしまっているのは、「子供部屋」である。子供部屋がいるか、いらないかというのは無限の宇宙のような(答えが出ない喩え?)問題だが、僕はどちらかというと「いらない」方へ傾いている派である。子供部屋がいるとすれば、高校受験や大学受験の際の「籠って勉強できるスペース」(空間)であり、「勉強部屋+寝室」のことではない。しかも子供はすぐに家を出てしまうし、将来同居してくれる訳でもない。それでも田舎の長男は同居率が高いので、余裕があれば「面積」を増やしておくことは必要かもしれないのだが・・・。
「つくり」を考える時、原始生活を描いてみると面白いかも、竪穴式やテントのような住まいは、家族が一つの「箱」(空間)に住んでいた。いわばワンルームマンションである。エネルギーを効率的に使うために「間仕切り」をせず、仕切りがあっても「ドア」はない。また、昔の茅葺き屋根の家などは囲炉の煙で屋根を燻製にし、防腐させるために「天井」はなかった。底抜けならぬ天(手)抜きである。・・・昔の家はなにやらワクワクするばかりだ。
次世代のつもりが前世代ではないか。(・・・、)
夫婦の寝室すら分ける時代ですから、そろそろ面白い家考えましょう。
 *
雑学:トイレのことをWC(ウォーター・クローゼット)というが、これは昔貴族が用を足す際に、何重にも着ている衣装をお付の者が脱がせるためで、トイレには衣服を掛けるスペースが伴っていたからである。今ではクローゼットは収納のことだが、昔はトイレのことでありました。