劇的なEU議会場

名階段散歩

フランスとドイツの国境近くの都市ストラスブールは、ヨーロッパの重要な法律的、政治的な機関が集まっている。その中でも一際目を引く建物がEU議会場である。フランスのアーキテクチュア・スタジオが国際設計競技で獲得したプロジェクトだ。
この新しい議会施設(といっても99年だが)は運河沿いの敷地に「ガラスの山」のように建っている。平面的に見るとナポレポンの帽子に良く似た形をしており、立体的に見ると円柱形に侵入され斜めに傾いた巨大な半円形という形となっている。(ぜんぜん分からん)この巨大なフォルムは二つに分けられ、半円形の会議場と、円筒形の議会オフィスとに内部空間が隔てられている。この空間の上下の循環機関として、反重力的な「二重螺旋階段」(出ました!)が存在している。踊るように螺旋を描きながらアトリウムを昇っている。長さの異なった二つの階段が、通路の両側にあるオープンデッキに連絡している。一つは1階から5階の高さを昇り、もう一つは2階から4階を昇っている。この一部が省略された変形二重螺旋階段が作り出した効果は 「劇的」 である。両側にガラスの手摺りが平行する広大な空間の中に、「浮いた」ように「展示」されており、一見、モデル化された巨大な染色体のようである。シャープに作られたゆえ、素材感を消した段板と透明なガラスの手摺りが、洗練されたクリアな(味?)現代のメタル建築をつくりだしている。