草壁邸

ジブリグッズで何といっても好きなのは、「サツキとメイの家」です。「品」ではありませんが、この家、設計屋から観ても「すぐれもの」です。
サツキとメイの家」の大もとの設定となる映画「となりのトトロ」は昭和30年代初期ごろの日本を舞台にしたお話。物語は、主人公のサツキとメイの姉妹がオート三輪で引っ越してくる場面から始まる。引越し先は、少し前までの日本の、どこにでもあった田園と里山の風景が広がる、東京近郊の松郷(現在の埼玉県所沢市松郷)という農村の古い一軒家。胸を病んで入院していた母親がまもなく退院するので、環境のよい空気のきれいな家に迎えようと引越してきます。家はサツキとメイが引越してくるずっと以前の昭和10年ごろ、当時の中産階級の人が家族の療養のために別荘として建てたもので、やがて家族が亡くなり、家はほとんど未使用のまま、永い間放置されていたものです。
建築様式は、和風建築に洋風の応接間だけが付属した「昭和初期の洋館」スタイル。規模は木造平屋建て一部二階、母屋は瓦葺きの漆喰壁、洋館はトタン葺きで南京下見板張りペンキ塗り。延べ床面積は108.41平米(32.79坪)
現在万博記念公園に建つこの家は、「その当時の工法」と「その当時の材料」でつくられた「とてつもなく本物の家」です。今では豪邸と云わざるを得ない程の職人技と、お金を賭けても手に入らない稀少な材料が使われています。今度、そんな眼で「建築鑑賞」してみて下さい。
(キャラではラピュタの園丁ロボットが好きだな、