八角九重塔

みやこめっせ(京都勧業館)」というところで「塔」を発見してしまいました。(模型ですが)
京都市左京区岡崎、現在の京都市動物園周辺に昔巨大な寺院が存在していたんですね。「法勝寺」と云って1075年着工、塔や金堂、講堂が一列に並んだ四天王寺様式の伽藍で、高さ三丈二尺(約10m)の本尊を安置した金堂も巨大であったが、金堂前に池を挟んで建つ「塔」がとてつもない。この塔は1083年に建設され、1208年に焼失後1213年に再建されたもので、屋根が九層、裳階(もこし)が一層の計十層、高さ二七丈(約80m)で、現存する最も高い東寺の五重塔(約50m)をはるかに上回っていたようです。
この法勝寺以後、岡崎の地には「勝」の字がつく寺院が五つ(尊勝寺、最勝寺、円勝寺、成勝寺、延勝寺)が造られ、法勝寺を含め「六勝寺(りくしょうじ)」と呼ばれていたらしい。(六曜占星術?)この巨大な寺院都市も13〜14世紀に全て廃絶し、現在では平安期独特の和様と呼ばれる優美な遺構はなにも残っていない。(残念)法勝寺の塔も1343年に焼失している。塔は八角形で、中国の寺院建築を思わせるモニュメンタルな形状である。また仏教での塔というのはストゥーパやパゴダなどと同じく、死者の西行・再生を表したもので、復活のシンボルなのだが、時の乱や火災には弱かったようである。
(聞くところによると昨年の秋頃、御手洗さんは京大裏の進々堂へよく現れたそうです。