カンパニーレ ディ ジョット

ドゥオーモとくれば次はジョットの鐘楼(サンタ・マリア・デル・フィオーレ隣接)を登ることになるのは避けられない。ドゥオーモと同じ配色で造られたシンプルな角柱型の塔である。ジョット(三次元的空間と人体の表現に優れた画家)、他ピサーノ、タレンティ(共に建築家)らによってデザインされたイタリアでも最も美しい鐘楼の一つ。四隅が一番上まで八角形(見え掛かりは四角)のリブが突き出して通っており、垂直性を強めている。5層からなり、1層と2層、3〜5層が微妙にデザインを変え、三人のスタイルが現れている。角型螺旋階段とまではいかないが、建物外周際の直線階段を向きを変え繰り返し上って行くことができる。なぜか螺旋階段より身体に応えるのだが、5層まで上がると天井が高く、視界も良い窓が大きな部屋に到達する。ここが最上階と思ったら、やはりまだ上に上がる階段が隠れていた。二重壁の間の階段を上がると、ようやく屋上フロアへ出る。転落防止の金網がかかるバルコニーで、頂部の張り出し装飾を兼ねている。高さ84m、ここからも360度街を見下ろすことができるが、ドゥオーモのクーポラも間近である。(こちらも十分高い)
尖塔のない矩形の塔であるが、ゴシック様式の美しい尖塔アーチの二連窓が程よい開口部となり、3色の細かい大理石の配置が、イスラームのモザイクを彷彿させ、宝の小箱のような装飾性をつくり出している。1333年に着工し、1360年、ドゥオーモより1世紀も早く完成している。
(やはり設計は絵の上手い人に依頼して下さい。