人間は弱いもの

インドに行ったとき、黒いベールで頭を覆った、というより全身すっぽり真っ黒。アバーヤと呼ばれる黒装束の女性たちを見かけた。何か密教のような怪しい姿だが、これがフツーのムスリムの女性らしい。神秘的な優雅さを感じる一方、「女は外へ出るな、家でおとなしくしてろ」ふうな存在に思えてしまうが、これは全くの誤解である。
イスラームには、人間は本来弱いものという認識があり、近代西欧社会が持っている「人間性強説」に対して、「人間性弱説」をとっている。人間は弱い存在であるということを潔く認めている。人間は本来、善でも悪でもなく、弱い存在であるので、誘惑に負けやすいような状況をつくらないことが大切である。不特定多数の男女が肌を見せ接触していると、弱い人間のこと乱れるに決まっているから、男も女も手首、足首までの長い衣服をつけることにする。性的誘惑に対して男は特に弱いから、女は髪の毛も覆う「ベール」をつけて、弱き男性を惑わさないように「協力」しているというのだ。逆に「女を隠す」ことにより「見た目で差別する男社会」がなく、男女差のない社会となっているため、地位の高い女性も多く、女性の社会進出は日本よりすすんでいる。ムスリム人口がほとんどを占めるインドネシア、マレーシア、パキスタンなどで、女性首相、大臣、政府高官を多く輩出している事実を見れば、これは明らかである。(イスラーム・・・考えさせられますね。
(教授、見た目で判断せず誘惑して下さい。(・・・、)