母国のない言葉

エスペラントという「語」がある。スペルの見た目や響きが、イタリア語、スペイン語、フランス語、ドイツ語をミックスしたようで、発音は日本語のローマ字発音という不思議な言語である。世界で100万人程が使用していると云われる言葉で、「国際語(中国では世界語)」と呼ばれている。現在世界共通語は英語とされるが、英語はある民族及び国の母国語であるゆえ、世界語とすれば「平等ではない」という考え方がある。1887年7月14日に、ポーランド(旧帝政ロシア領)出身のユダヤ人、ルドヴィーゴ・ザメンホフが、世界中のあらゆる人が簡単に学ぶことができる、世界共通の第二外国語として発表したもので(発表時のペンネーム「エスペラント博士」に由来している)日本でもいち早く傾倒する者も多く、国家主義者の北一輝第二外国語として、教育に取り入れるよう自著にも発表している。
英語を覚えるには、発音、スぺル、活用など不規則なものが多く、また単語を覚えるのに膨大な時間を要する。世界語として考案されたエスペラント語の文法は、規則性があり覚えやすいというのだ。
発音はローマ字読み、母音は日本語と同じで五つ。「J」はドイツ語と同じように「ヤ行」に相当します。例えば「Jes」は「イエス」と発音し、意味は英語の「Yes」と同じです。語尾も決まっているものが多く、名詞は「o」、形容詞は「a」で終わります。一つの音に対する文字が一つというのも、日本語と同じで読みやすい。(なにやら容易な香りがしますが、僕には「外国語」にしか見えません。(・・・、)
国家を持たない言葉は神への冒涜として、迫害された歴史もあり、「異端の言語」として記録されているが、現在では異なる言語間でのコミュニケーションツールとして、旅行、文通、国際交流、ラジオ、インターネット上など様々な分野で使われている。いまや英語圏以外の国際補助語として、エスペラントが再び浸透しつつあるようだ。
(国際語も必要だがその国その国に行ったら、一夜漬けまる暗記の挨拶程度の現地語を使うのもよいものだが・・・。