三日目(後編)

突然雨の匂いとともにスコールです。空気が暗くなり、瞬く間に街の姿が飛沫でかすみます。この時期の雨は気温が上がり過ぎると冷却装置のように姿を現します。(いいお湿りです。30分ほどで上がりました。
一度休むとダルいですが、プノンペン滞在はとりあえず今日だけですので、気合を入れて「キリング・フィールド」まで行こうと思います。ポル・ポト時代に処刑された人々が埋められたところで、現在は慰霊塔が建っています。カンボディアンなら観ておかなけらばならない施設です。
一度経験すると癖になります。「バイクタクシー」で行くことにします。少し高いですが、往復で10$で話をつけました。(・・・、交渉力不足)モニレス通りを一路南西に向かいます。30分ほどで到着です。「ウェイト・ヒアね」
田んぼに雑草が生えたようにデコボコした緑が広がっている。ここ一帯から大量の人骨が発見されており、その掘り起こした穴により凹凸ができたらしい。突然フラッシュバックのようにイラクで殺されたK田さんの殺害シーンが頭をよぎった。首のない遺骨も相当数あったと聞く。パゴダのような慰霊塔内は、さらに強烈な霊の香りが体にまとわり付くように皮膚を刺激した。(ナンマンダブ)出よ。
バイクのおじさん待ってるかな。以前言葉足らずでタクシーに帰られてしまったことがある。・・・今回はいました。(ほっ。陽が陰り、入道雲が褐色めいた頃、来た道を親父とランデブーしながら戻りました。(・・・トゥクトゥク位にすればよかったかな。
すでに夕食の時間です。毎回路上のファストフードばかりではなく、たまにはレストランで正式なカンボジア料理をと思いますが、テーブルで一人は格好つかないので、(というより狙いが違います) 「屋台」です。ロー・チャー(焼きうどん)とサイッ・コォー・アーン(牛肉の串焼き)ともちろんビールです。(計2$程)こんなところで平気ですが、孵化寸前のアヒルの卵はかんべんです。(ヴェトナムでも売ってた。
朝食用にフランスパンを買って帰ります。観光地とはいえ、物騒な時間になる前にゲストハウスへ戻ります。
宿のハウスキーパー(メイド?)でしょうか。仏教の国はいいよね。顔を合わせると、手を合わせ祈りのポーズをとってくれます。カンボジアの娘がかわいいのはこのためです。「ニャム・バーイ・ハウイ(ご飯食べた?)」と聞くので、「ニャム・ハウイ(食べたよ)」。これがこちらの挨拶です。(お仕事ご苦労様、おやすみ。
(明日はアンコール・ワットの町です。