世界最高の絵画

プラド美術館に「ラス・メニーナス(宮廷の侍女たち)」という276cm×318cmもある巨大な絵がある。作者は、1599年悪魔の日(6月6日〔午前6時ではないと思うが〕)に洗礼を受けた、「ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・ベラスケス」である。
絵は、幼い王女マルガリータ(日本の麗子像みたいな娘)とその侍女を描いた(とされる)ものだが、構成がなんとも複雑である。というのは、登場人物が多く、ベラスケスが王家の家族に囲まれて、アトリエで制作しているまま(彼自身もいる)を描いたものだが、「どちらを描いているのか」分からないのだ。奥の鏡には王とその王妃が映っているので、彼(ベラスケス)は王夫妻を描いているのだが、「描いている自分」が主役のように描かれている。(?
画面で何が起こっているのかは解釈が分かれ、彼が王夫妻を描いている途中で、王女と侍女らの邪魔が入ったのか、またその逆なのか?彼は自分を出演させてしまった後ろめたさからか、背景に、「ルーベンスの絵」を二枚掛けている。しかも、その絵は、無謀にも芸術の神々に挑戦しようと企てたために、地獄に落とされる人間の姿を描いたものである。(彼のことか?じつに興味深い絵である。(美術の教科書にもよく掲載されている作品です。
この絵は、「絵画の神学」と呼ばれ、1985年「イラストレイティド・ロンドン・ニューズ」誌の投票において、「世界最高の絵画」に選ばれている。
(画家はしばしば自分を作品に登場させますね。なかでも一番は、切断された首(ゴリアテ)になったカラヴァッジョですかね。