ウッドデッキから監獄

家を新築してからしばらくすると、ウッドデッキを設える例がある。(新築と同時もあるが)庭に面してウッドデッキを設けると、リビングが広がり、天気のよい日などは外でバーベキューでもと話が進むが・・・、(いや待て)「リビングで食事が出来なかった日本人」がリビングの延長であるウッドデッキで食事が(しかも外で)出来るのだろうか。バーベキューが団欒のステイタスと映るのか、たしかに「みなで食べる」ことは楽しい。しかし、継続して行っている例をあまり見たことがない。日本人は食事姿をオープンに出来ないのである。度々「幸せ」を見せるのも抵抗があるし、他人の食事を直視しないのも礼儀である。(・・・ウッドデッキ。どうしてくれよう、)
やはり、バーベキュー又は見せる食事を楽しむには、「中庭のある家」か「コートハウス」がいい。外部からの視線を遮ってこそ、オープンに出来るというもの。最近の建築家の家の流行り言葉にもなっている「外に閉じ、中に開く」家だ。近所付き合いも「外」だけにして、住まいは生活を楽しむものと割り切り、「鍵をかけなくてもよい田舎の時代」ではなくなった現在、「監獄」のような住まいも悪くない。
ハノイに「メゾン・セントラーレ」と刻まれた監獄(現在は博物館)がある。まるで住まいのようなネーミングであるが、フランス統治時代は政治犯の収容施設として、ベトナム戦争時は捕虜となった米兵の収容に使われたものである。施設柄、当然外観は閉鎖的であるが、刑務所(塀の中)であるから、中には中庭(ナカニワニワ緑・・・、)がある。(ニワトリはいないが、ここなら、日本人も気兼ねなく作業や食事ができる。西洋の街には、このような堅牢な建物が多いが、塀の隙間から見える「緑」は美しいものである。
・・・・かなり横道へ反れたが、リビングと食堂の関係と等しく、ウッドデッキも塀や生垣がないと、宝の持ち腐れになりそうである。(材を選ばないと腐りやすいということ?)
(ウッドデッキがどうして監獄とつながるのか分かりませんでした。