建築模型

建築模型は大きく分けると二つの用途がある。一つは「完成模型」で、建築物が「完成した状態」のミニチュアとして、「実際には巨大なものの外観を鳥の視線で見るため」の「展示物」としての模型であり、もう一つは「試作(スタディ)模型」と云って、建物をデザインする過程で、ヴォリュームや、見え方などを図面(二次元要素)だけでは分かりにくい部分を、デザイナー自身が確認するときや、クライアント(建て主)への説明などに用いるときのために作る、「造形」としての模型である。通常「建築模型」とは後者を指している。
僕の場合、ほとんど確認のために模型をつくることが多い。建物の姿は二次元表現で十分にヴォリュームが想像できるからという訳(ばかり)ではなく、「手でモノをつくること」そのものがデザインと考えているからです。
「提案作業」にも用います。初めは図面など見せず、「立体物」のみでプレゼンテーションします。図面は線や文字が入るので「逃げ」がありませんが、その点模型は「形」があるので、「感覚」に働きかけます。(詐欺ではありません、、
デザイン検討時に開口部はもっと大きい方がよいか、小さい方がよいかなどを考える際も、模型のパーツ同士が上手く組み合うように作られているかなど、建物の設計とは別の計算が働くことも、建築模型の醍醐味です。(模型そのものを「完成」させることに意識が移ってしまいます)建築模型とは、ヴォリューム的発想を促す手段(スタディツール)と云えるのではないでしょうか。
(その模型も、二次元要素(平面図・立面図)から作るのだが、