隠れ家カフェ

先日、仕事上の打ち合わせ(院内環境住まい化プロジェクト)のため、アオイさん(登場人物参照)に呼ばれた。
議題柄、場所をオフィスからカフェへ移動することになったのだが、通りから入った住宅街にあるその店は、紹介されなければ決して知ることは出来ない、前を通っても見過ごしてしまう程の遠慮がちなカフェであった。
文化住宅をショップにリモデルしたもので、一応のアンティークは設えてあるようだが、ユニークなアプローチがデザインされている。入口ドアは開け放し(少量のグリーンアイテムに囲まれたカントリー的雰囲気)であり、勾配のついた板張りの廊下(長さ一間程)の先に、真(?)の入口ドアがあるのだが、この間が大きな嵌め殺しガラスにより、通りから「丸見え」なのである。(面白い!)正直初めて目にするつくりであった。「開いたままのドア」から「真の入口ドア」までは外なのか内なのかが曖昧で、白く塗られた無味な小空間(過去のスイッチまで塗り潰してある)が、「遠目には遠慮がちに見えた外面は、猫をかぶっていたかのように」自己主張し始めるのである。(中に入って感じることが出来る。これこそインテリアデザインの姿なのか)
「真の入口ドア」を入ると、それまで明るかった分の効果を差し引いても、中は「隠れ家的」に「狭さ」をデザインしてある。6人しか座れないL型カウンターのみで、入口からは「Lの短手部分」しか見えないので、ここでも自虐的デザインが行われている。(先客があると入室に抵抗がある)しかし。90度折り返したカウンターの先には、また大きなガラスで外の緑を取り込んでいる。(おいしい!)インテリアはいたってシンプルで、飾り気のない白い壁のみだが、天井は吹き抜けており、「席に着くと」落ち着けるつくりとなっている。デザインしてあると云えば、板張りの床に経年的な磨耗処理を施し、アンティークさを出しているくらいか。(カフェとは、このようにインテリアと時間を味わうところと定義してもよいであろう。
(住環境の打ち合わせには良い選択でしたよ。