周り廻る水

住まいに「トイレ」はつきものだが、「その行方」はどうなっているのか。
日本の人口のうち、水洗便所を使っているのが8割強、そのうち下水道を流れて終末処理場に向かう屎尿は65%で、あとの35%はいったん浄化槽に収められる。浄化槽とは、家庭や企業などに設置された、いわば巨大な「肥溜(こえだめ)」であり、この中にバクテリアを投入して「ウンコ」を食べて分解してもらっている。分解された汚水は沈殿槽でさらに沈殿分離し、固形分で溶けにくいものは引き続き1年くらいかけてゆっくり分解する一方、水分のほうは消毒したのち川や下水に放流される。川や下水に放流できず底に溜まる汚泥は、定期的に汲み取り、近くの終末処理場へ引き取ってもらう。(そこでまた分解される・・・、
一方、残る2割弱は水洗ではないトイレを使い、その屎尿は汲み取り業者により処分場へ運ばれる他、下水道のあるところまで運び終末処理場へ流される。2007年までは船で沿海まで運び「海洋投棄」もされていた。(毎日ん百万人分が未処理のまま投棄)
これは「屎尿という有機物」をパイプで輸送し、浄水で百倍に薄め、下水処理場では、大地に還せば豊穣と結びつけられるはずの「モノ」を空しく分解処理をしている訳で、ようは膨大な社会投資をして、「屎尿を一時的に目の前から見えないところへ移動させているだけ」に過ぎないのです。
昔の日本は、屎尿は川や湖沼に投入されることもなく、水田に肥料として撒かれ、この高性能の処理場で一部は「下水処理(分解)」されて川へ流れ、他の一部は「浄水処理(濾過)」されて地下水となり、飲料水となったのです。ということは・・・、現在「○○の天然水」などのペットボトルの地下水を飲んでいるが、これは100年以上の時間をかけてゆっくり濾過された水であり、つまり100年前の水田から滲み出して浄化され、地下浸透した「屎尿」であったかもしれません。(うまいわけだww
(人間が水をつくっている。とも云える訳ですね、、