姿を変える色

とうとうセミが鳴きだした。(幻聴ではないよな・・・。
暑くなると「緑」がくすんで見えるのはなぜだろう。暑くて葉の水分が減っているのか、受粉時のように花を目立たせるため彩度をあげる必要がなくなったのか、など様々あるだろうが。「色」は常に「他の色」との関係で変化していると云える。「色」は単独で存在していることはあまりなく、周囲に異なる色があるゆえに「色」を判別することができる。
「色」が周囲の状況によってどれほど「見かけ」を変えるかは、「同時的対比」の例が分かりやすい。例えば、同じ灰色が白に囲まれた場合と、黒に囲まれた場合とでは、後者のほうがより明るい灰色に見える。また少し色が違っていたとしても、周囲の色次第で同じ色に見える場合がある。ピンクはより強いピンク色で囲まれると、明るい灰色に変り、淡い緑は鮮やかな緑色で囲まれると、やはり明るい灰色に見えてくる。このようにピンクと淡い緑は同じ背景の下では、相反する性質を示すが、異なる背景下では同じ色に見える場合もある。(そうか?
「色」は見る順序でも「色の対比」が作用する。例えば、赤いものを見続けた後に見る「赤」と、緑を見た後の「赤」では同じ赤でも、後者のほうが美しく(彩度が上がって)見える。逆に前者は、見続けたことにより、同じ色が「光彩」を弱め、眼が赤の補色(緑)を感じ易くなっているために、「赤」には鈍感になっているわけである。
夏の緑がくすんで見えるのは、葉の色が変化していることもあるが、春のように赤などの補色となる花々が周囲から消えたため、対比効果がなくなり、眼が緑を欲しなくなったからと解釈もできる。(湿度が高くなり、よどんだ光が緑の鮮度を妨げているのか・・・。
セミも周囲に左右されやすいようで、「他の音(騒音など)」が始まると鳴きだすのである。(幻聴かな(・・・、