気分を変える家

現代の住環境は、機能性や合理性という使い方や設備などの快適性は備えても、心理状況に応じた「操作的な空間」や、「多用途性」を備えているとは云いがたい。(もう少し具体的に言ってもらいたい・・・、)
その結果、現代の住まいのインテリア空間は、画一的で、部屋の雰囲気(心理的作用)はあまり考慮されていない。(・・・もう少し分かり易く・・・、)
部屋の大きさは六畳か八畳、一面には大きな掃きだし窓(テラスサッシ)があって、入口の扉の幅は、75センチ、天井の高さは2メートル40センチ、壁の色は白。部屋の名前も、居間、子供室、夫婦寝室などと付けられるが、大きさも雰囲気もさして変らない。部屋は機能と対応し、間違えても子供室で皆と一緒に食事をしようなどと発想はしない。住まい手は日々同じ空間で、同じことを繰り返すかのような、機械的、流れ作業的な生活となりつつある。(そこまで冷めなくても・・・。
しかし、人の心は気まぐれで不安定なもの。それを受け入れる住まいには変化がないと、いつも同じことを繰り返し、気分転換ができない。「気の持ちよう」という根性だけではなく、ハード(住まい)にも変化や、フレキシブル(多用性)に利用できる変化に富んだ「外的要因」がないと、心理的な窒息状態になりかねない。
今日は天気も気分もよいから外で新聞を読もう、今日は独りになりたいから屋根裏部屋にでもと、気分を変えるつくりや用途変更できる住空間を考えることも「住まいの設計」では重要な課題と云えよう。
(間取りには見えてこない空間や、使い手を限定しない小部屋など、取り入れたいですね。