パラシオ・グエル

先日打ち合わせの中で、クライアントがある建築家のことを思い出したように「桜田」と言うので、なんのことかと考えたら「サグラダ・ファミリア」のことで、「ガウディ」と言いたかったようなのだ。
たしかにガウディと言ったら「聖家族教会」が有名だが、(いえいえ「カサ・ミラ」でしょう)一つマイナーな作品をご案内します。同じくバルセロナ市内(旧市街ランブラス通りより少し入った所)に、およそガウディとは想像しない「別の意味で奇妙」な邸宅が建っています。一対の大きなパラボリックアーチと鋳物の門が銀行を匂わす厳ついファサードで、その厳格なつくりは妙に「ホーンテッド」な香りがあり、何となく「タワー・オブ・テラー」をイメージさせる世紀末デザインなのである。(もちろんこの「感覚」で正解です)
これもいつものパトロン「グエル氏」の数ある住まいの一つだが、内部はイスラームのモスク的空間が迎え、正面階段は円柱を携えた「カトリック的」な非日常空間への入口である。(なかなかいい階段)
円柱のスタイルもガウディオリジナルで、とんがり頭の載る「男性」のようなシンボリックなオーダーである。(ヒンドゥー様式?)・・・まったく「人類みな兄弟」デザインである。(ごちゃまぜ、、
メインホール(サロン)へ入ると、やはり。絵に描いたような「様式美」的な幽霊屋敷なのである。・・・例えが貧しくて申し訳ないが、「ハリー・ポッターホグワーツ魔法学校の中」と云えば、、いつも動いている絵画や、とぐろを巻いたようなランプなど、小道具が揃っています。
中央の天井はクーポラ(ドーム)で、サイドから光が入り、教会的な雰囲気をさらに高めている。細部のディテールも強いガウディらしさは見えず、(唯一、らしさといえば屋上の塔で、様々な姿のモザイクタイル建築がテーマパークをつくっているが)怪人ガウディの多才な能力を見せ付ける物件である。
(ガウディって答えられてよかった、、(こんな家に棲みたいです。(似合い過ぎるかww