山上の集落

先日「酷道マニア」の旅番組があったが、世の中には「変わりもの趣味」の輩がいるようで、「酷道」とは「整備が不十分な過酷な国道」のことで、国道に指定されてはいるものの、倒木ありの、ガードレール、外灯などのないインフラとは呼び難い道のことである。このような道を辿ることを趣味とする連中のドキュメントであった。(云う程酷道ではなかったが、
このような「山道」を遡って行くと、対岸など、遠方の山腹に小さな集落を発見することがある。それは「絶海の孤島のような」全く麓の集落とかけ離れたところに、ポツンと家らしきものが見え隠れしているのである。・・・なぜこんなところに人が住んで「いたのか?」と考えてしまうが。
そんなとき、昔話の中に出てくる「姥捨て山」が頭をよぎった。貧しい集落では、食い扶ち減らしのため、年老いた者を山へ捨てるという話だが、実際は捨てられても直ぐに亡くなる訳ではなく、そのような者も数多くいたため、「その山」で集まって暮らすようになっていったという。「山上の集落」の形成である。しかし、自給自足だけでは物資が足りず、夜な夜な麓へ下りては盗みや、労働力の拉致をすることになる。じつはこれが「やまんば(山姥)」の姿と云われているのだが、・・・
その道なき道の上に残る集落は、「崩落危険区域」などの行政指定により、住み手が離れたため、ほとんどは廃屋となっていることが多い。すると今度は「廃墟マニア」が押し寄せることになる。(色んな趣味がありますね。
(孤高の集落。「○○伝説殺人事件」ミステリの王道です。