設計者とは

設計者(デザイナー)たる者、依頼者(クライアント)の出す与条件(依頼者の想像する姿や固定理念、要望など)をそのまま鵜呑みにしてはならない。ときとしてその与条件が「新デザイン」の妨げになる場合があるからである。(無意識にデザインの枠を小さくしかねない。
依頼者の要望は一度片隅に置き、「白紙」から行うことで、依頼者の考えの及ばない点をつくり出すことが可能となり、この「未知」を創ることがデザインの本来の姿とも云える。
「依頼者の出した与条件をそのまま上手くまとめたもの」は、エンジニアの分野であり、デザイナーの業務ではない。例えば、提案したものが理解を得られなかった場合、それを「補てん」したような事案をつくってはならない。なぜならそれは「依頼者のデザイン」が入り込むからである。極端に云えば、設計者は『デザインを依頼された』訳であるから、『デザインの依頼』を聞いてはならない。(解りますか)すなわち「過程」は違えど(想定外でも)、完成後の使い方が与条件に合っていればよいのである。(デザイナーにはタカ派が多いですな。
(たしかに僕も正しいとは云い難いが、「依頼者のその場の思いつきで出た案」は必ず採用しないことにしている。(・・・、)