メスキータ

まだまだ蚊の季節は終わらないが、「メスの蚊」のことではない。スペイン、コルドバにある大建築で、「メスキータ」とはモスクと同じ言葉の訛りだが、一般的にはコルドバの大モスクのことを云う。
後ウマイヤ朝を開いたアブドゥル・ラーマン一世が、バグダッドに負けないモスクを造ろうと考え、785年に建設を始め、四度程の増改築を重ねて、987年に現在の姿になった。堂の部分と中庭を合わせると、175m×135mという巨大なモスクで、一度に2万5千人もの信者が礼拝できると云われている。中に入ってみると、そこは「柱の森」である。(以前は1400本の柱があったが、中央にキリスト教聖堂を建ててしまったため、600本程が取り除かれてしまった)その円柱が、白と赤を交互に組み合わせた縞模様の二重馬蹄形アーチを支えていて、その聖堂的な柱とイスラーム風のコラボが奇妙に美しく、その数の多さにただただ圧倒される。
イスラームだった国が、キリスト教徒にレコンキスタされた事実を見える形で教えてくれる奇建築である。モスクという建物にそれほど美を感じない輩も、コルドバのメスキータは別物であろう。(列柱好きにはたまらないww
(建築はフツウ「空間」をつくるが、柱で埋め尽くした「空きのない間」に身を置くのもいい。