サイゴンの洪水

路線バスに乗ってしばらくすると雨が降ってきた。しょせんスコールと高をくくっていたが、ベンタイン市場に着く頃にはどしゃ降りになった。(・・・。)雨季は明けたはずなのでは?(折り畳み傘は持っていたが、役に立ちそうもない)
バスから降りると、そこは「水」だった。(・・・、これって(・・・。バケツをこぼしたみたいな雨とはいえ、まだ降り出してから間もない。道路をよく観察すると「側溝」がない。しかし、数メートルおきに水の飲み込み口はある。(機能していないだろうが)道路が川のようになっている。まさにテレビで目にする水害の映像である。ジーンズもひざ下はプルシャンブルーに変色。
雨宿りをしながら移動するが歩道といえどもこの地の雨は容赦ない。建物の樋は地上2メートルを超えるあたりで、急須のように口を開けている。まるで巨人の立小便である。(これを滝と見られれば及第です)足元へ元気に弾き返してくれる。(・・・。)目的のゲストハウス街に辿りつくも、路地の入口は完全に水没していた。(・・・。)もう今さらです。濡れついでに「川」へ入ります。まさか自分が災害地の住人となり、水の中を歩くはめになるとは・・・、
インフラ整備の遅れた街は、雨季の雨「サイゴンの洪水」で真の姿を知ることができます。
(このバス、カーブで車体を倒すごとに内部へシャワーをしてくれます。(・・・。