天空の城

「天空の城って知ってますか?」
ラピュタのこと?ジブリ映画の」
「そうです。そのラピュタです。宮崎駿さんが天空の城のモデルにした遺跡があります」(シェムリアップで捕まった日本語ガイドの言葉)
「日本のお客様がシェムリアップで一番喜ぶところが「天空の城」です」
「知ってるよ。ベンメリアのことだろ」
「そうです」(ようはそこを観に行かないかということ。市内から70km近くあるので、ガイド料を稼げるところだからだ)
『ベンメリア遺跡』
ここはクーレン山南東の石切り場に位置し、良質な砂岩で造営された寺院である。「花束の池」という意味を持ち、三重の回廊、十字型の中庭が配置された伽藍で、環濠約45m、周囲約4.2kmと規模は小さいが、アンコール・ワットと類似点が多く、「東のアンコール」とも呼ばれている。遺跡は深い森の中に埋もれていて、修復されぬまま、崩壊の進んだ「そのままの姿」を観ることができる。苔むした屋根や、光の入らない回廊、木々の絡みついた姿は、確かに「ラピュタ」でパズーとシータが木々を滑り降りるシーンを回想できる。
でも断りました。(なぜって?ガイドはいらないから)一度観ていたこともあり、今回はまだ観ぬアンコール・トム周辺の、ツアーでは周ることのないマイナーな施設を中心に探訪すると決めていたからです。
(遺跡見学は「ガイド」がいると「自分の眼」で観ることができないのです。