プノンペンへ

3時、目が覚める。(緊張からか眠りが浅い)耳障りな扇風機を止める。
今日はバスでカンボジアへ入りますが、憧れのサイゴンは雨ばかりで、何のイメージも授からぬまま離れることになりそうです。(また帰りに寄りますが、
4時20分、遠くで教会の鐘が鳴っています。暗い部屋の中で聞いていると、フィレンツェサンタ・マリア・ノヴェッラ教会近くに泊まったことを思い出します。遠くにドゥオモを望み、歴史的建築物だらけの街は、既にタイムマシンが開発されたのかと思える程(500年)変わりなく、その姿を晒していました。(「冷静と情熱〜」のテーマが流れてきそうです)
一人旅は時間がありますね。ハノイの安ホテルに滞在したときは、深夜ベトナム戦争がらみの読み物から、「南ベトナム」という今はなき都市への望郷のような思いが湧き上がったものです。(この部屋も「北軍」に改宗されてしまったのだろうか)などと開閉具合の悪いクローゼットを眺めながら、部屋中に吊り下げた衣類をパッキングし、ただただ出発時刻を待っていました。(朝食として、SOYJOYを水で流し込みました。
5時20分、まだまだ夜明けは遠いですが、フロントへ降ります。当然暗がりなので勝手に照明を点け、申し訳なく係りを起こします。寝起き姿の女性からパスポートを受け取り、チェックアウト完了です。(初日の宿を提供して頂き、ありがとうございました。(支払いの際、20$でおつりをもらう訳だが、ドルがなかったようで、寝起き人に余計な計算をさせてしまいました。おつり30000ドンです。
2日目の外へ出ます。依然夜ですが、早起きの商人は開店の準備をしています。通りの屋台でフランスパンを買い、かじりながらバス会社へ向かいます。蛍光灯が眩しいです。カウンターの前では、当日券を買い求めるカップルやビジネスマン風の男が並んでいますが、まだ「開店」していないようです。既に大型バスが通りに横付けされていますが、このバスでしょうか。係員らしき男が出てきたのでチケットを見せると、「あっち」とばかり指さします。見ると先程のバスは姿を消し、対岸(公園手前の空き地)に人が乗り込む姿のあるバスが停まっていました。(僕も乗車です。5:45「歩き方」で何度も読んだ「カンボジア行きバス」です。「チケットを購入し、そのバスに乗る」当たり前のことですが、これでカンボジアへ連れていってくれるのです。一つのミッションをクリアしたようで、安堵と達成感が込み上げてきます。いい年の大人ですが、ワクワクしてきます。(初めてのお遣いみたいで、、
出発時刻を過ぎてもまだまだ乗り込んできます。(長距離なので、ある程度は待ってくれるようです。6時10分発車。車内の雰囲気は『バックパッカーがいない』(11月18日記事)参照。
(それではいってきま〜す。